4.異なった計算方式の比較

キャンペーン時のGPSデータとIGSのサービスデータやGPS点座標値の組み合わせで、異なった計算方式が生まれる。網の幾何学量つまり形・大きさの決定への計算方式の影響を次の2例で示す。

  1. IGSの軌道は一定の数値を使う。拘束は全くなく、全点の座標を出す。SAGA網では次の三例を計算した。
  2. a)SAGA網のデータのみを利用する場合

    b)SAGA網のデータ+南アメリカのIGS点4点を利用する場合

    c)b)+IGSの12点を利用する場合

     

    結果は表1に示す通り。

     

    表1.SAGA点の位置がIGS点の含め方でどう変わるかの結果の比較(単位mm

    差        南北成分        東西成分        垂直成分


    )―b)      1.3          1.5         4.7

    )−c)      1.4          1.8          5.5

    )−c)      0.4          0.8         1.9

     

    広域のデータのみの場合の解a)と結合解b))の比較は、水平で1mm、垂直で2mmである。

     

  3. SAGA網は28点のIGS点とともに平均された。13点のITRF座標は軌道決定のための準拠枠を与える。軌道が再決定されるが、その影響を調べる。次の三例を計算した。

)標準IGS軌道(GFZ解)を利用する場合

)SAGA網の内の4点の永久点+IGS点28点を利用する場合

)すべてのSAGA点+IGSの28点を利用する場合

 

結果は次の通り

 

2.SAGA点での軌道決定が変わる時の位置決定結果の比較(単位mm)

差        南北成分        東西成分        垂直成分


)―b)      0.6          0.5         2.0

)−c)      0.6          0.6          2.4

)−c)      0.4          0.4         1.0

IGS軌道と更新された軌道を用いた時との差は小さい。網の大きさ・形の差は1mm以下である。

1000kmまでの広域網の決定のためには、キャンペーン時のデータを幾つかの世界的に分布したIGS点とともに、固定した軌道によって、平均して決めるのが良い。この時に何の拘束もなしに自由網平均を実施する。